Q 私の父が70歳で死亡しました。相続人は母と私の兄弟姉妹4人ですが、その1人がす
でに死亡していてその子には子供が2人います。また、私の子供2人が父母の養子にな
っています。
A 民法に定める法定相続人は、母、兄弟のうち健在な3人、死亡した兄弟の子供2人
(代襲相続人)、養子2人の合計8人となります。これらの人が遺産を相続する権利を
持っています。
相続税の申告に当たっては民法と違い、実子がいますので養子2人のうち1人が相続
人となり、7人が基礎控除等の計算の対象となります。
また、設例の養子が財産を相続して納税する場合は、2割増しの税金を納めなければ
なりません。
Q 私の父が65歳で死亡しました。相続人は母と私、弟の3人です。
課税になる遺産は1億5,000万円ありました、税金はいくら納めることになりますか。
A 相続税の総額は 9,250,000円です。
これを誰がいくら相続したか(何%相続したか)によって、納める税金の合計は変わ
ります。
法定相続分(妻 1/2 子各 1/4づつ)の場合、妻は配偶者控除がありますから 0円、子
は各 2,312,500円で合計 4,625,000円となります。
妻が1億2,000万円 子が各 1,500万円の場合、妻は配偶者控除の限度額1億6,000万円の
範囲内ですから 0円、子は各 925,000円で合計 1,850,000円となります。
このように、相続した割合によって納める税金に大きな違いが出てきます。
Q 父は6月30日に死亡しました。所得税の申告はどうしたら良いのでしょうか。
A 死亡した日から4ケ月以内に「準確定申告書」を提出します。1月から6月までの
所得金額を計算して、納める税金が有る場合は期限に遅れないように申告します。
また、サラリーマンは給与所得から源泉徴収をされていますので、準確定申告をす
ると源泉徴収をされた税金の還付が受けられます。
なお、還付を受けた税金は相続財産になりますから、相続税の申告の際には漏らさ
ないように気をつけましょう。
Q 相続人に代襲相続人がいて、その子は20歳に達していません。遺産分割の手続きは
どのように進めたらよいのでしょうか。
A 未成年者は民法の規定で法律行為ができません。遺産分割にあたっては、未成年者に
代わって成人を「特別代理人」とする必要があります。
特別代理人は、未成年者の親族が家庭裁判所へ「選任の申し立て」をし、決めてもら
います。
特別代理人には、死亡した人の相続人はなれませんが、弁護士・司法書士等である必
要はありません。相続権のない伯父叔母・従兄弟等の人で差し支えありません。
Q 私の父が75歳で死亡しました。相続人は母と私、妹の3人です。
遺産は自宅の土地約 5,000万円、家屋約 1,000万円、株券約 1,000万円、預貯金約
3,000万円、生命保険金 3,000万円でした。
幸いなことに借金はありません、お葬式には約 200万円かかりました。
A 遺産の合計は 1億 2,800万円になります。相続税の基礎控除額 8,000万円を超えてい
ますから、申告が必要です。
土地家屋を相続人である配偶者(母)が相続すると、小規模宅地の特例の適用があり
ますから土地の面積が 240㎡までであれば、課税の対象となる金額は 2,000万円となり
ます。
生命保険金は相続人1人 500万円の控除がありますから、3人で 1,500万円控除され
残り 1,500万円が課税の対象となります。
株券、預貯金 4,000万円を合計すると 7,500万円になりますが、相続税の基礎控除額
は 8,000万円ですから税金は 0円で納めなくてもよいことになります。